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■ 5.賃金関係
Q5-8  派遣元会社から賃金の締め切り日と支給日を、今後、事務処理の統一のため現在より10日間遅らせると電話で連絡がありました。賃金の支払日が変更になりますとローンの支払いなど生活にも支障がでます。派遣元会社は派遣労働者の合意もなく一方的に変更することが出来るのでしょうか?
A5-8  労働基準法第89条では、就業規則の「作成及び届出の義務」を規定していますが、同条2項で「賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切及び支払いの時期並びに昇給に関する事項」についても就業規則で定めておくことを義務づけています。
 派遣労働者の就業条件明示書または雇人通知書に記載されている賃金締切日及び支払日は、派遣元会社の就業規則で定められた日となっているのが原則です。派遣元会社が、派遣労働者の賃金締切日及び支払日を変更する場合には、この就業規則を正式に変更しなければなりませんが、これは、労働基準法第90条「作成の手続」によって、労働組合又は労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、同条2項により、その意見を記した書面を添付して所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。
 ただし、こうした就業規則の変更によって、労働者の既得の権利を奪ったり、不利益な労働条件を一方的に課すことは原則として許されません。しかし、労働条件の統一的かつ画一的処理の要請から、変更条項が合理的なものである限り個別の労働者の同意がなくても有効になる場合もあります。
 確かに、貸金の締切日と支払日を現在より10日間遅らせるのは、既得の権利を変更することにはなります。しかし、極端に賃金の支払いを遅延させるものでなく、毎月一回以上一定期日払の原則(労働基準法第24条2項)が維持されたうえで、例えば賃金支払いの経費削減や明確化のために一括処理をすることとなり一部で賃金支払いのずれが生じたということであれば、諸事情から判断して合理的なものであると判断され有効になる可能性があります。あなたにとっては、ローンの支払い等生活にも支障がでるとのことですが、ある程度の調整はお願いしたいと思います。
 なお、労働基準法第106条「法令規則の周知義務」により、使用者は、このような変更を行う場合、又は行った場合は労働者に周知する義務が負わされています。しかし、使用者がこの義務に違反した場合の効力の有無が問われますが、使用者が労働基準法第90条による所定の手続を得て変更した以上、同法所定の周知方法を講じなかった場合でも無効とはならないとされていますので、この変更に従わなければならないと思います。
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